ベクトルはどこを向いているか

STANCE

スタンス

ベクトルはどこを向いているか

良い話を聞くと、
人はつい誰かの顔を思い浮かべる。

「あの人に必要だ」
「あの人に聞かせたい」

そんな経験は、
誰にでもあるのではないだろうか。

だが、
本当に問われているのは、
自分なのかもしれない。

組織でも同じである。

「意識を高く持ちましょう」
「もっと頑張りましょう」

そう語ることは簡単だ。

だが、
聞いている側は、
心の中でこう思っている。

「お前はどうなんだ」と。

人は、
他人にベクトルを向けることは得意である。

だが、
自分にベクトルを向け続けることは難しい。

良い話を聞いた時。
問題が起きた時。
誰かに何かを伝えたくなった時。

その度に問われる。

「私はどうなのか」と。

メタ認知とは、
自分を客観視し、
俯瞰する力だと言われる。

だが、
その実践とは、
自分を主語に戻すことなのだと思う。

人は、
簡単に自分を主語から外してしまう。

そして、
これは優しさと甘さの違いにも通じる。

優しさとは、
相手のために嫌われる覚悟である。

甘さとは、
自分が嫌われたくない気持ちである。

一見すると似ている。

だが、
そのベクトルは正反対だ。

問題は、
何を言ったかではない。
誰に言ったかでもない。

その言葉の主語に、
自分自身が含まれていたかどうかである。